慈圭会慈圭病院院内感染対策指針

(平成29年 6月20日改訂)

1.院内感染対策指針の目的

この指針は、院内感染の予防・再発防止策及び集団感染事例発生時の適切な対応など当院における院内感染対策体制を確立し、適切かつ安全で質の高い医療サービスの提供を図ることを目的とする。

2.院内感染対策に関する基本的な考え方

この指針は、院内感染の予防・再発防止策及び集団感染事例発生時の適切な対応など当院における院内感染対策体制を確立し、適切かつ安全で質の高い医療サービスの提供を図ることを目的とする。

(1)院内感染対策に関する基本的な考え方

当院の院内感染対策は、常に感染症の患者と感染症に罹患しやすい患者とが同時に存在していることを前提に、手厚い医療的なケアを行う際に必然的に起こりうる患者・職員への感染症の伝播リスクを最小化することを目指す。
そのために、「スタンダードプリコーション」の観点に基づいた医療行為を実践する。あわせて感染経路別予防策を実施する。
個別および病院内外の感染症情報を広く共有して院内感染の危険および発生に対して迅速に対応することを目指す。
院内感染が発生した事例については、速やかに補足、評価をして、事例を発生させた感染対策システム上の不備や不十分な点に注目し、その根本原因を究明し、これを改善していく。
院内感染事例の発生頻度を、院外の諸機関から公表される各種データと比較し、わが国の医療水準を上回る安全性を確保して、患者に信頼される医療サービスを提供し、医療の質向上に寄与する。
以上示した基本姿勢をベースにした院内感染対策活動の必要性、重要性を全部署及び全職員に周知徹底し、院内共通の課題として積極的な取り組みを行う。

(2)院内感染対策委員会

当院感染対策に関する院内全体の問題点を把握し、改善策を講じるなど院内感染対策活動の中枢的な役割を担うために、院内の組織横断的な院内感染対策委員会(以下委員会)を設置する。
委員会は、院長、副院長、診療部長、事務長、医事課長、看護部長、看護副部長、薬局長、栄養課長、検査課長で構成する。
委員会の委員長は院長とし、委員会委員長に事故あるときは副院長が代行する。
委員会は毎月1回開催する。また必要な場合には、委員会委員長は臨時委員会を開催することができる。
委員会は、感染に関する対策を要する事案解決のための方策を策定する。また委員会が必要と認めるときは、委員以外の会議への出席を求め、意見の聴取又は資料の提出を求めることができる。
議長は委員会委員長とし、委員会は、委員の過半数の出席がなければ成立しない。
委員会の所掌事項は次のとおりとする。
院内感染予防のための調査研究
院内感染予防のための対策の立案ならびにその実施にあたっての指導
院内感染防止対策上必要な事項
院内感染防止のために必要な職員教育に関すること
その他院内感染防止のために必要な事項
委員会は必要に応じて、専門院内感染対策小委員会を設けることができる。

(3)感染対策チームについての基本方針

慈圭病院における院内感染予防・治療全般に関わる事項を取り扱い、慈圭病院院内感染対策委員会(以下感染対策委員会)規定第五条にあげる事項に関して専門的に検討し、感染対策委員会に対しては必要な報告および提言を行い、院内各部署に対しては院内感染予防・治療に関する実際的な企画、助言、指導を行うため、感染対策委員会の下部組織として感染対策チーム(以下チーム)を設置する。
チームは次の委員をもって構成する。
診療部長、(内科医)、看護部長、看護師長2名、各病棟代表委員、外来およびデイケア代表委員、医事課および総務課代表委員、検査課代表委員、薬局代表委員、栄養課代表委員、生活療法課代表委員
チーム委員長は診療部長とし、副委員長をその他の委員から2名選出する。
チーム会議は、例会(毎月第2月曜日)のほか必要の都度、チーム委員長が招集するものとする。
議長はチーム委員長または副院長とし、チーム会議は委員の過半数の出席がなければ成立しない。
チーム委員長が必要と認めた場合には、チーム会議に委員以外の者に出席を求めて意見を聞くことができる。
チームの活動内容は次のとおりである。
各部署で院内感染防止対策業務が遺漏なく行われるよう助言および指導
感染予防・治療のための調査研究し、委員会へ報告
感染予防・治療のための対策を立案し、委員会へ提案
感染予防・治療のための院内教育を立案し、委員会へ提案
院内MRSA小委員会はチーム会議が兼務する。
その他、感染予防・治療のために必要な事項
チーム委員長は活動内容を院内感染対策委員会に報告し承認を得るものとする。
チーム会議には記録を置き活動内容の記録およびその他の庶務に従事する。

(4)院内感染対策に関する職員研修についての基本方針

委員会は全職員を対象に研修会を年2回以上開催する。また、必要に応じて部署単位、特定職員単位の研修会も行う。
チーム委員は必要に応じて現場で知識、技能の普及を行う。
院外の感染対策を目的とした各種学会、研修会、講習会の開催情報を広く告知し、参加希望者の参加を支援する。

(5)感染症の発生状況の報告に関する基本方針

院内感染とは、病院内で治療を受けている患者が、原疾患とは別に新たな感染を受けて発病する場合を指す。なお、病院に勤務する職員が院内で感染する場合も含まれる。
入院患者に指定する感染症が発症した時、または、感染の恐れがある時は、担当医及び病棟師長は、看護部長を経由してチーム委員長に報告すると共に、直ちに必要な措置を行わなければならない。
職員に指定する感染症が発症した時、または、感染の恐れがある時は、その職場の責任者及び内科医は、チーム委員長に報告すると共に、直ちに必要な措置を行わなければならない。
検査技師は、入院患者あるいは職員より該当する病原体を検出した時は、直ちに検査課長及び担当医に報告する。同時にその内容を感染台帳に記入する。

(6)院内感染発生時の対応に関する基本方針

職員は、院内感染が発生した場合には、発生部署責任者がチーム委員長に報告し、内容によって緊急委員会を設置する。内科医、担当医は二次感染の予防、治療の方針・指示をする。不明の点は内科医またはチーム委員長に指示を仰ぐ。また、医療に関する法律に規定される診断及び届出は基準に沿い担当医師が行う。

(7)当院院内感染対策指針の閲覧に関する方針

本方針は、院内LANを通じて全職員が閲覧できるものとする。また、慈圭病院のホームページにて一般に公開する。

(8)その他

職員は、感染対策上の疑義が出た場合、チームまたは委員会に意見を求めることができる。

平成29年 6月20日:院内感染対策委員会の構成員の改訂。感染症の発生状況の報告に関する基本方針の改訂。